ブログBLOG
2023.08.05

唾液のチカラ

こんにちは、高橋歯科医院です。

今回のテーマは『唾液のチカラ』についてです。
唾液は、身体を健康に保つためのたくさんのパワーを発揮します。

唾液の働き

1、 きちんと味を感じるために
食べ物が唾液と混ざらなければ味を感じることができません。
味を感じるのは舌ですが、舌は唾液の中に溶け込んだ食べ物の味の成分を知覚しているのです。

2、 飲み込みや
食べ物をお口の中で十分噛むことで細かくなります。
たくさん噛むことで唾液を含んだ食べ物はなめらかになり、飲み込みやすくなります。

3、 消化を助ける
唾液には、食べ物の中のでんぷんを分解する酵素が含まれています。
その酵素が働いて胃袋で消化しやすい状態にします。

4、 体内への細菌の侵入をブロック
お口の中には、虫歯の原因菌だけでなく様々な病原菌が絶えず侵入してきます。唾液にはIgA(免疫抗体)や
抗菌作用を持つリゾチームなどが含まれており、これらは病原体をブロックします。

5、 口腔内を守ります。
お口の中は常に唾液が分泌されており、唾液は食べカスを洗い流したり、また常にうるおいを保つことで口臭を押さえます。

6、 虫歯になりづらくする
お口の中が酸性に傾くと、エナメル質の表面が溶けだします。唾液はお口の中を酸性から中性に戻してくれる「緩衝能」という働きで、歯が溶けるのを食い止めてくれます。

7、 がんの原因となる活性酵素を減らす
唾液に含まれる酵素が、発がん性物質の毒性を消す働きがあります。

8、 老化を抑える作用
唾液の中のパロチンと呼ばれる物質が筋肉や骨の発達を促進する作用があり、老化防止にも役立っています。


ここまで唾液の働きを説明してきましたが、唾液の量が十分でなければ効果が得られません。
最近では、ドライマウス(口腔乾燥症)の方も増えています。そのような唾液の分泌量が減ってしまう原因には次のようなものがあります。

1、 加齢
2、 ストレス
3、 口呼吸
4、 口の中が不潔な場合
5、 空気が乾燥している時
6、 外分泌腺の障害により、口の中や眼球の乾燥症状を特徴とする疾患
7、 エイズ
8、 糖尿病
9、 パーキンソン病
10、 抗うつ薬、血圧降下剤の副作用


より唾液の分泌量を増やすためにセルフケアで改善できることを紹介します。
1、 唾液腺マッサージ
【方法】➀耳下腺への刺激 目安10回
     人差し指から小指まで4本を頬に当てて、上の奥歯あたりを後ろから前に向かって回す

    ➁顎下腺への刺激
     親指の骨の内側の柔らかい部分に当て、耳の下から顎の下まで5箇所くらい順番に押す

    ➂舌下腺への刺激
     両手の親指の腹で顎の真下から舌を突きあげるようにゆっくり押す
     (2023.3.21のブログでも紹介)

2、 口を開けて行う舌体操 それぞれ5回
【方法】➀舌をできるだけ前に出して、左右に動かす
    ➁口の周りをなめるように、舌を左右にかわるがわるゆっくり動かす
    ➂舌を出して、上下に動かす
    ④鼻の頭やあごをなめるくらいのイメージを持って、思いっきり動かす

3、 口を閉じて行う舌体操 それぞれ5回
【方法】➀左右の頬を膨らませるように、舌でそれぞれを押す
    ②舌で上唇を膨らませるように押す
    ➂舌で下唇を膨らませるように押す
    ④唇、頬と歯茎との間に舌を入れ、1週ぐるりとゆっくり回す
     反対側も同様に行う

東京医科歯科大学大学院教授 川口陽子先生紹介の「舌体操」より

いかがでしたか?唾液がジワッと広がるのを感じたでしょうか。
この他には、食事をよく噛むことももちろん有効です。
みなさんも手軽に取り入れやすいことから、唾液量アップで‘健康アップしてみませんか?