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2023.04.14

国民皆歯科検診をご存じですか?

こんにちは!
高橋歯科医院です。4月になり、春の日差しが暖かくなってきましたね。
新年度がスタートすると、検診に来られたり、ホワイトニングを始めたりする人が増える月でもあります。
ところで皆さんは国民皆歯科検診についてご存じですか?

国民皆歯科検診とは

さて、皆さんが歯科医院に行こうと思うのはどんな時ですか?
・歯が痛くなったから?
・痛くはないけど黒っぽいところがある、歯が欠けた
→このように自覚症状が出てから歯科医院の予約をとる方が多いのではないでしょうか?
実は日本人は歯科医院には虫歯の治療に行くところと考えている人が多いそうです。
しかし、歯科先進国のスウェーデンなどでは歯科医院には虫歯にならないようにいくという感覚だそうです。

スウェーデンは、「予防歯科」先進国として知られています。
そんなスウェーデンも、かつては、多くの人がむし歯や歯周病で歯を失っていました。
その状況を重く見たスウェーデン政府は、1970年代に「予防歯科」を国家的な一大プロジェクトとしてスタートさせました。
「予防歯科」の考えを国家的な歯科医療の方針として採用し、歯科医院で「予防歯科」を受診することを義務化しました。
効果は絶大で、現在のスウェーデンは、世界で最も歯科疾患が少ない国と言われています。
日本がこれから始めようとしている「予防歯科」の義務化を、歯科先進国では50年以上も前にすでにスタートさせていたのですね。

政府は日本全国民に対して毎年の歯科健診を受けてもらうことを義務付けることで
歯の健康を維持し、他の病気の誘発を抑え、健康寿命を延ばすことで医療費の抑制を目指したい
としています。

「虫歯の予防の為の予防歯科じゃないの?健康寿命?」と思った方もいるかもしれませんが、予防したいのは虫歯ももちろんですが歯周病の予防も大切です。
実は歯周病は、ギネスブックで「世界で最も一般に蔓延している感染症」といわれています。
日本の調査でも、歯を失う原因の約66%が歯周病とう蝕(むし歯)です。
2018年に、8020推進財団が行った「第2回 永久歯の抜歯原因調査」によると、第1位は歯周病で、37.1%を示しています。第2位はう蝕で29.2%、第3位は歯の破折で17.8%となっています。
「抜けたらブリッジや入れ歯にするから大丈夫!!」と思うかもしれませんが、
自分の歯で物を噛む時の力が100%だった時と同じようなパフォーマンスがブリッジや入れ歯のような人工補綴物では出すことができません。
また、「虫歯になったら、抜けたら治せばいい」という意識のままだと口腔内の環境が良くなることはないので歯周病はどんどん進行していきます。
歯周病は健康寿命に大きく影響します。

こちらは日本臨床歯周病学会のH Pの記事です。https://www.jacp.net/perio/effect/
歯周病が全身に及ぼす疾患について詳しく書いてあります。
糖尿病のように、歯周病も生活習慣病です。
糖尿病の治療だけして、食生活の改善や運動をしなかったら悪化していく一方ですよね?
同じように歯も食生活の見直しや口腔内に対する日々のケアを意識することで、結果的に全身疾患の予防につながるのです。

最後に
このブログでは何度も触れている歯周病のことを、今回は国民皆歯科検診に絡めてお話ししました。
この国民皆歯科検診ですが、令和7年頃の導入を検討しているようです。
もう少し先ですね・・・笑
歯科検診、予防処置は現在でも保険適応です!「義務化してから・・・」と思っている、この2年間の間に人によりペースはありますが確実に歯周病は進行していってしまいます
是非お早めに定期検診のために歯科医院に通うことを習慣化していっていただきたいと思います。