ブログBLOG
2023.03.21

予防・改善ができる?飲み込みにくさ、むせ対策

こんにちは。高橋歯科医院です。

前回のブログで口腔機能低下症についてお話ししましたが、今回はその予防方法についてお話ししようと思います。

 「2年以上続くコロナ禍でマスクの下の表情が乏しくなった。」そんな声が聞かれます。
また、化粧をしなくなったとか、オシャレに無頓着になった、なんてことも増えているようです
一時期に比べるとかなり規制も緩和されているように思いますが、食事もひとりぼっちだったり、黙って食べる「黙食」が慣例になったりして、顔面や口腔器官の運動量は相当に減ってしまっているのではないでしょうか?
生理的な加齢変化だけでも「飲み込みにくい」「むせる」ことに影響するのに、さらに廃用になってしまっては、その勢いを加速させかねません
その対策として日常の中でよく口を使う、動かすことが重要です!

★口腔のトレーニング
体を鍛えるのと同じように口腔のトレーニングをして飲み込みにくさや、むせを防ぎましょう!

① 舌の運動トレーニング
【目的】舌の運動範囲を改善する
【方法】⑴舌を前方に大きく突出させた後、しっかり後退させる
    ⑵口角を横に引く

② 舌の緻密性、運動速度のトレーニング
【目的】舌を巧みに、素早く動かせるようにする
【方法】⑴舌を口角の左右に交互につける運動を、できるだけ早く繰り返す
    ⑵舌の突出と後退を交互にできるだけ早く繰り返す
    ⑶「パ、タ、カ、ラ」を繰り返し発音する
    例:「パパパパパパ…」「ララララララ…」

③ 舌、口唇の力強さと持久力のトレーニング
【目的】舌の力強さや持久力を鍛える
【方法】⑴舌
    ・舌を前に突出させ、舌圧子やスプーンで抵抗をかける
    ・舌全体を上に持ち上げ、舌圧子やスプーンで抵抗をかける
    ・舌を左右の口角につけるように指示し、舌圧子やスプーンで抵抗をかける
    ⑵口唇
    ・上下口唇の間に糸をつけたボタンを入れ引っ張る

④ 嚥下おでこ体操
【目的】嚥下の際に必要な動きを促す(食前に実施すると良い)
【方法】⑴額に手を当てて抵抗を加える
    ⑵おへそを覗き込むように強く下を向く
    ⑶ゆっくり5つ数える間に1回行う。その動きを5回繰り返す

⑤ 飲み込み訓練
【目的】嚥下と呼吸の協調性・タイミングを整えて、誤嚥を起こしにくい嚥下方法を習得する
【方法】⑴訓練前に深呼吸する(顎を上げないように)
    ⑵鼻から大きく吸ってしっかり息を止める
    ⑶唾液または空気を飲み込む
    ⑷吸気をせずに、すぐに勢いよく息を吐く、あるいは咳をする

⑥ 開口のトレーニング
【目的】舌の筋力トレーニングを行うことで、嚥下の際に必要な働きを促す
【方法】⑴椅子に座るか、横になり、体幹が安定した状態で口を最大限開ける
    ⑵その状態を10秒間保持させて10秒間休憩する
(顎の下に両手の親指を置いて開口に負荷をかけてもいい)
⑶5回で1セットとして、1日2セット行う
【注意】顎関節症や顎関節脱臼のある方は行わない

⑦ 唾液腺に対するマッサージ
【目的】唾液腺を刺激することにより、唾液の分泌を促進させる
【方法】⑴耳下腺への刺激 目安10回
     人差し指から小指までの4本を頬に当てて、上の奥歯辺りを後ろから前に向かって回す
    ⑵顎下腺への刺激
     親指を顎の骨の内側の柔らかい部分に当て、耳の下から顎の下まで5箇所くらいを順番に押す
    ⑶舌下腺への刺激
     両手の親指の腹で顎の真下から舌を突き上げるようにゆっくり押す


これらのトレーニングを行うなど、日常的な工夫で、飲み込みやむせの問題を改善できるかもしれません

嚥下機能低下は徐々にやってきます。未病対策として口腔内の機能低下の訴え(老化のサイン)を捉え、自分自身でも気づいてあげることも重要です!

トレーニング方法は歯科医院にてお伝えすることもできますので気になることがあればなんでもお聞きください!お待ちしております!